便秘と肌荒れは炎症という共通点があります。そんな便秘は季節の変わり目などでも自律神経が乱れて起こりやすい症状の1つです。今回は、そんな便秘について解説いたします。
気候の変化と自律神経
季節の変化で体調を崩す場合、自律神経に負担がかかって起きています。まずは、自律神経が乱れる理由を見ていきましょう。
気圧の変化は内耳ストレス(興奮)
- 抑うつやめまいの悪化
- 心拍数の増加
- 血圧の上昇
- 慢性痛の悪化
気圧の変化が起こると、体の中の内耳という感覚機関に負担がかかりやすいです。この内耳は、聴覚や平衡感覚などさまざまな機関が集まっています。エレベーターや飛行機などに乗ったとき感じる圧迫感はこの内耳で気圧の変化を感じ取っています。いっときであれば、重い症状になりませんが、一定期間持続してストレスを感じる、または急激な変化の場合は、眩暈や耳鳴りをはじめとする症状が起こります。このような症状が起こると、ストレスを感じて交感神経が優位になりやすいです。
気温の寒暖差が大きい(疲労)
- 肩こりや頭痛
- めまい
- 倦怠感(けんたいかん)
- 便秘や下痢(げり)
- 不眠など
気温差があることで、自律神経が環境の変化に応じて血管や血流を変化させます。この気温差が急であったり、大きく変化することで体は次第に疲労してしまいます。疲労した自律神経は、変化に適応しきれずに、自律神経の失調を起こりてしまいます。このようなストレスや疲労が、内臓をはじめとする機能低下を招き、便秘などの不調を引き起こしてしまうのです。次は、自律神経が失調する前に起こる、予兆をみていきましょう。
疲れると気が張ってしまい消耗する
疲弊することでバランスが取れなくなる
(=自律神経の失調)
自律神経のチェック
- 乗り物酔いをしやすい
- 季節の変わり目に体調を崩しやすい
- 暑い季節にのぼせ、寒い季節では冷える
- 雨が降る前にめまいや眠気を感じやすい
- 最近、体を動かす機会が減っている
- 肩こりがある
- 新幹線や飛行機に乗ると耳が痛くなる
- 偏頭痛持ち
- 几帳面な性格
- ストレスを感じやすい
これらに該当する場合は、自律神経が乱れ始めています。この状態をよく感じてしまう場合は、季節の変わり目に体調を崩しやすくなってしまいます。慢性的に便秘の方は、これらの兆候が伴っている場合も多いです。次に、便秘について深くみていきましょう。
症状が出る前に機能低下が起こる
内臓の低下の1つに便通の変化がある
自律神経と便秘
便秘とは3日以上排便がない状態をいいます。また、排便があっても違和感が残っていると、便秘と判定されます。
便秘になると自律神経の働きが悪くなり、全身の血行が悪化します。
その結果、肌の張りやツヤがなくなったり、肌荒れなどの肌トラブルが起こりやすくなったりします。
また、腸内に有害物質が発生して悪玉菌が増えることで、腹部の張りや食欲不振、吐き気、めまい、血便などを引き起こすこともあります。さらには血行が悪くなり、肩こりや腰痛など、全身にも影響が出てきます。
便秘には、幾つもの種類に分類されます。機能に問題のあるものから、病的なものや薬の影響で起こるものまであります。今回は、その中でも多い、機能性便秘を深掘りしていきます。機能性便秘は、弛緩性便秘、けいれん性便秘、直腸性便秘に分類することができます。
1.弛緩性便秘 (=大腸の運動の低下)
弛緩性便秘は、腸管の緊張がゆるむことでぜん動運動が十分行われない状態で起こります。そのため、大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなる。その結果、便がスムーズに動かなくなり排泄困難になっていくのです。その原因としては、運動不足、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、極端なダイエットなど生活習慣の乱れが誘因になることが多いです。便秘の中でも頻度が高く、女性や高齢者に多いとされています。
2.けいれん性便秘 (=大腸の過緊張)
けいれん性便秘は、副交感神経の過度の興奮してしまい、腸管が緊張しすぎることで起こります。痙攣することで便がうまく運ばれないため、水分が吸収されてしまい、ウサギのフンのようなコロコロとした便になります。食後に下腹部痛、残便感などの症状があることもあり、便秘と下痢を交互にくり返すことも多いです。この便秘の原因は、精神的ストレス、環境の変化、過敏性腸症候群(IBS)などが誘因になると言われています。
3.直腸性便秘 (=直腸に便が停滞)
直腸性便秘は、便が直腸に達しても排便反射が起こらず、直腸に便が停滞してうまく排便できなくなる状態です。高齢者や寝たきりの人、痔になりやすい人のほか、排便を我慢する習慣がある人に見られやすいです。また、温水洗浄便座の水を肛門の奥まで入れることで、神経の感度が鈍り、便秘になる人が増えている。このようにさまざまな原因で便秘が起こっているので。便が出ないことで不快感や自律神経の失調も起こってしまいます。このような便秘は、その不調だけでなく、炎症反応を起こし、肌荒れをはじめとする全身の問題に発展してしまいます。
便秘は炎症
激しい便秘の症状
- 激しい腹痛
- 高熱
- 吐き気
- おならが出ない
- お腹の張りが強い
- 便に血液が混じっている など
便秘が炎症に発展する機序があります。人は、ストレスを受けると脳の視床下部からCRH(副腎皮質ホルモン放出ホルモン)が分泌されます。このホルモンが迷走神経を介して腸に達します。脳からきたCRHの刺激が腸粘膜には肥満細胞が破裂を破裂してしまい、その中から炎症反応の引き金となるヒスタミンが大量放出していきます。これが腸粘膜を構成している細胞間の結合をゆるめ、腸のバリア機能が低下してしまいます。その結果、通常は悪さができない、腸内でつくられる毒素などが漏れ出て腸粘膜にダメージを与えることで炎症に発展してしまいます。
このようなことが便秘で起こっており、IBSの諸症状を起こす炎症のもとになると考えられています。
やってみるべき対処
それでは、最後に、便秘になった時にやってみるセルフケアをご案内させていただきます。
便秘になりやすい人
- 偏食 :空腹を感じる、夜食を減らす
- 睡眠不足 :睡眠をとる、早めに寝る
- 水分不足 :水分補給、カフェインを減らす
- 運動不足 :血流改善・お腹を柔らかくする
まずは、生活の中で食事、睡眠、水分、循環のいずれかに問題がないか確認しましょう。食事以外に水分補給が少ない場合は、体重に対して0.3をかけた分の水分を取ることが有効とされています。また、必要以上にカフェインを摂取している場合は、飲むものを変えてみましょう。また、内臓に疲労がある場合は、空腹を感じてから食事を摂るようにしてみましょう。最後に、お腹に硬さがあれば、マッサージや湯たんぽなどで温めるケアも有効です。便秘には、種類の違いの分、対応も変わります。それらの方法が効果を発揮させるために、まずは日常の生活を見直すことから取り組んでみましょう。
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