カゼインとは、牛乳に含まれているタンパク質です。骨の成長に牛乳は体にいいと言われてきましたが、体に負担もかかることがわかっています。グルテンやカゼインフリーで有名なジョコビッチは記憶に新しいと思います。なぜ、そのようなスポーツパフォーマンスに及ぶまで、影響するのでしょうか。今回は、カゼインフリーの重要性やその内容についてご説明させていただきます。
- カゼインとは?
- 牛乳とカゼイン
- カゼインを多く含むもの
- 牛乳の害
- カルシウムは何から摂る?
カゼインとは、乳汁中に含まれるタンパク質のことです。このタンパク質は、乳たんぱくのうちの80%を占めています。乳汁中のタンパク質は「カゼイン」と「ホエイ」に分けられます。ホエイとは、ヨールグルトを開けた時に、上澄みにある透明な成分です。これはヨーグルトを作る過程で、カゼインとさんが反応して凝縮します。ホエイはさんとは反応しないために分離します。分離した後は上澄みとして残るので、このように別れているのです。
カゼインは3つに分類できます。
α-カゼイン(アルファカゼイン)
β-カゼイン(ベータカゼイン)
K-カゼイン(カッパーカゼイン)
人の乳にはこの中のαカゼインが少ないです。牛乳を飲んで反応する場合には、このαカゼインに原因があると言われています。
牛乳とカゼイン
牛乳が白く見えるのは、カゼインとカルシウムが結合したために見えます。また、牛乳の成分には水分、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどが含まれています。その中で、牛乳に含まれるカゼインは、分解されにくいアミノ酸配列をしており、未消化なまま腸に入ると、粘膜を傷つけ、炎症を起こします。この炎症が繰り返し起こると、腸粘膜に穴が空いて、アレルギー症状を起こしやすくなります。このような状態をリーキーガット症候群と言います。
リーキーガット症候群についてはこちら記事をご参照くださいませ
https://eiki-tiryouin.co.jp/symptoms/post-5192/
牛乳の害
カゼインが多く含まれることだけが牛乳の害なのでしょうか?実は、カゼインというタンパク質以外にも牛乳が人体へ及ぼす害はあるのです。
カゼインが及ぼす腸への影響
カソモルフィンは、乳製品に含まれるカゼイン由来のペプチドです。
ペプチドは血液脳関門(けつえきのうかんもん)を通過できる化合物であることが示唆されています。これらのポリペプチド混合物が脳に入り込むと、脳のオピオイド受容体と結合します。
オピオイド受容体とは、神経細胞が「痛み」の情報を受け取る受容体のことを指します。オピオイド受容体に結合する物質として有名なのが「モルヒネ」です。モルヒネは、がん治療などに使われる医療用麻薬(オピオイド鎮痛薬)です。
モルヒネは、痛みを伝える脳の神経伝達物質(しんけいでんたつぶっしつ)に先回りして、オピオイド受容体に結合します。これによって、神経細胞は痛みのシグナルを受け取らなくなり、痛みを止めることができます。
カゼイン由来のカソモルフィン」は、モルヒネと大変よく似た化学構造をしています。グリアドルフィンは、グルテオモルフィン(グルテン由来のモルヒネ様化合物)とも呼ばれます。
モルヒネに似た構造を持つグリアドルフィンやカソモルフィンが体内に入ると、血液脳関門(けつえきのうかんもん:BBB)を通過することが分かっています。血液脳関門は「脳の関所」とも呼ばれ、脳内に入って良いものと、入ってはいけないものを厳密に区別しています。
血液脳関門を通過したグリアドルフィンとカソモルフィンは、神経細胞にあるオピオイド受容体に結合します。すると、モルヒネが結合したときに生じる鎮静作用に加え、気分の高揚や快楽の増加、継続的な興奮が発生すると考えられています。
人によっては、「深い多幸感」に包まれることがありますが、その反対に、「強い不安感」を覚える人もいるようです。
より引用
https://www.peds.ufl.edu/divisions/genetics/programs/autism_card/casein.htm
カゼインによって見られる症状
自己免疫疾患(リウマチ、バセドウ病など)
発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、多動注意欠陥障害など)
糖尿病
骨粗鬆症の悪化
ターナー症候群
ウィリアムス症候群
シェーングレン症候群
生理不順
不妊症
疱疹状皮膚炎
円形脱毛症
乳糖不耐性
牛乳に含まれるカゼインの40%を占めるα-カゼインを、ヒト人は消化・吸収することができないとされています。
ヒトは、α-カゼインを分解するレンニンという消化酵素を作ることができません。その代わりに、胃酸がα-カゼインの分解を補っています。それでもα-カゼインを完全に分解することは難しいとされています。
分解されなかったカゼインが小腸まで届くと腸に炎症が生じ、腸内を傷つけてしまいます。その結果、身体にさまざまな影響が生じてきます。
カルシウムとマグネシウムのバランス
マグネシウム不足で起こる症状
・筋肉の緊張やけいれん
・頭痛や肩こり
・不安やパニック発作、不眠、うつ
・便秘
・解毒ができない
・心臓の病気
・高血圧
・低血糖
・不妊
・骨粗しょう症、虫歯
カゼインを多く含むもの
ホルモン剤や抗生剤の問題
・牛乳、カフェオレなどの乳飲料、脱脂粉乳
・ヨーグルト
・チーズ(ピザ、パスタにかける粉チーズ、グラタン、リゾットなど)
・アイスクリーム、ソフトクリーム
・市販のクリームシチュー
・生クリーム(一般的な作り方のカルボナーラ)
・カスタードクリーム
・練乳
・洋菓子全般
牛乳の代わりになる食品
カルシウムは何から摂る?
カルシウムは大根の葉、モロヘイヤ、小松菜、春菊、チンゲン菜、水菜などの葉物野菜に多く含まれます。切り干し大根も非常におすすめです。また、しらす・イワシやししゃもなど骨ごとまるまる食べられる小魚や桜えび、干しえびもカルシウムが豊富な食材となります。特にしらすや桜えびは、マグネシウムが豊富で、しらすやイワシにはビタミンDが多く含まれていますので、骨を健康にするには大変おすすめの食材となります。また、マグネシウムとビタミンDは栄養療法のクリニックにて検査をして、不足している場合は、ドクター処方のサプリメント(※)を飲むのもおすすめです。
乳製品の代わりになるもの
・アーモンドミルク
・ライスミルク
・ココナッツミルク、ココナッツクリーム
などがあります。ポタージュやシチュー、クリーム系のソースなど、クリーミーに仕上げたいお料理に使える代替用ミルクです。
カゼインの影響を調べる検査
遅発型フードアレルギー検査
カゼインは腸粘膜に炎症を引き起こすことがあります。これらの貴女は、グルテンによる粘膜への刺激と同じです。腸粘膜の状態はIgG検査をすることで、アレルギー以外にも炎症をうかがわせる所見があります。芝の目状に反応が出ているのが炎症の兆候です。
カゼインフリー対策
ここまでの話でカゼインやグルテンがいかに体へ負担をかけるかということをご理解いただけたかと思います。しかし、除去するだけでは、大変だし、食事も楽しめないとおっしゃる方もおられます。そこで振り返っていただきたいのが、グルテンやカゼインの何が問題なのか?ということです。
アレルギーや不耐性の場合は、症状として強いものが出るケースもあります。しかし、消化酵素がない場合においては対策があります。それは、消化酵素を摂るという選択です。
消化を促す酵素の摂取
グルテンやカゼインを分解する消化酵素があります。そのような補助があれば、体への負担を軽減することもできます。
大切なのは、症状が出ていない時にチャレンジするということです。さじ加減がわからない状態では、体の許容量以上に摂取してしまうからです。どんなことでも、頼り過ぎてしまうのは危険なのです。
今回の記事のまとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
アトピーにいいと言われるものや、健康に悪いと言われるものまで、情報は多くあります。その時に、「なぜ?」という問いを常に持って見ましょう。そうすることで、理屈で理解できます。自分にとってそれが必要なタイミングかどうかがわかり、思った結果を導くことができます。是非とも、知識を知恵にして生活で活かせるようにされてくださいませ。
お電話ありがとうございます、
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