デュピクセントが顔に効きにくいわけ

かゆみの原因をブロックする注射薬として数年前から新薬として注目を浴びています。

デュピクセントの適応は、中等以上の症状とされています。これは、医師の指示に基づいて行われています。

このデュピクセントの効果は、サイトカイン（IL-4とIL-13）の働きを抑える薬とされています。炎症、乾燥、皮膚のバリア機能の全てにアプローチできます。

わかりやすく言い換えれば、皮膚の内部で起きている炎症を沈静化することで、かゆみや皮膚の脆弱さをケアしています。しかし、炎症と抑えるということは、免疫を抑えることでもあり、感染しやすくもなります。例えば、細菌感染やペルペスなどの症状が出やすくなるリスクも伴う薬ということです。

それでは、この新薬はどのように運用されているのか、薬の全体像から見ていきましょう。

薬には、皮膚に直接塗布する外用薬と内服や注射のように体内に入れることで全身に作用させる２つの方法があります。多くの場合、外用薬を第一選択として治療を行います。それでも、薬の効き目がない場合には、内服や点滴、注射なども吟味した上で選択されてきます。そんな新薬であっても肌が綺麗になり切らない、症状が残ることもあります。その理由は、起きている症状が炎症以外の場合も考えられるからです。

次は、炎症以外の痒みについて考察していきます。

痒みは上記の通り、炎症以外でも起こる症状です。アレルギー反応であれば、アレルゲンの接種や接触を避けることで沈静化していきます。薬であれば、抗ヒスタミン薬が選択されて、起き過ぎている反応を沈静化していきます。炎症の場合であっても、抗炎症成分の薬の塗布によってただちに、起きている反応が収まります。しかし、痒みは、乾燥、感覚過敏、熱のこもりなどでも起こるものです。薬の効果を実感できない場合は、神経や熱に対してのアプローチも必要になってきます。

それでは、熱や感覚過敏などの状態は、どのような負担で起きているのでしょうか。問題を深掘りしていきます。

顔に圧力が加わると水分が集まり赤みや火照り、炎症の元になります。例えば、食いしばりや姿勢不良でも顔面に圧力が加わりやすく、症状が起こりやすくなります。その場合は、顔そのものに加わった圧力を減らすとともに、緊張や姿勢を正すケアも必要になります。

脳はエネルギーを多く消耗するため、熱が発生しやすいです。そのため、脳に負担がかかりすぎると熱がこもり、むず痒さや赤みなどが起こりやすくなります。いわゆる脳疲労の状態になることで症状が表である、顔や皮膚にも起きているケースです。

顔には顔面の神経が多く集まり、神経に負担がかかることで、痒みに過敏になることがあります。神経痛や神経麻痺のような神経症状の１つとして、感覚過敏として起こる場合があります。

顔に血液が集まりすぎることで、鬱血性皮膚炎のような状態が起こります。つまり、一定期間血液が溜まりすぎると赤みが炎症に発展してしまいます。薬を塗ってもぶり返す、効き目が悪い場合は、このような炎症を起こし続けてしまっていることが考えられます。

それでは、顔に起こる圧力、熱、感覚過敏の問題の解消の仕方をご案内させていただきます。

まずは、食いしばりがあると顔面に圧力が加わります。ですので、顎の周りの筋肉を緩めてみましょう。それでも硬さが取れない場合は、首が前に出ることで顎で頭を支えているかもしれません。そんな時は、猫背を治すと良いです。そうすることで、顎で頭を支えることがなくなり、顔面に加わる熱は減っていきます。また、脳疲労があると頭に熱がこもるために赤くなります。そんな場合は、アイスノンなどで冷ますと良いです。直接熱を取るだけでなく、仮眠を取るなど休息をとるのも有効です。これらのように直接頭や顔のケアをまずはしてみましょう。それでも改善が見られにくい場合は、背骨や肋骨、骨盤など全体を整えることでも改善が見られます。ぜひ、試してみてくださいませ。

デュピクセントは中等症以上に適応の全身薬です。

その効果としては、サイトカインへピンポイントでアプローチするものです。

顔に症状が出るのは炎症以外の問題もあるので、圧力や熱のケアが必要となります。

圧力・熱・神経が原因でも赤みや痒みが出るので、皮膚以外へのアプローチを試してみると良いです。