頬に繰り返す湿疹と向き合うために体全体の巡りを整えていく

この記事のあらすじ

3つの視点を解説するスライド。中央に交差する3つの水彩風リングのイラストがあり、周囲に皮膚の奥の炎症、全身の連動、触る順番に関する説明文が配置されています。

【3行結論】
・頬に繰り返す湿疹の背景には、皮膚の奥で起きている炎症という視点があると感じています
・呼吸の浅さ・食いしばり・座り方といった顔から遠い要素が、じつは皮膚と地続きになっていることをお話しします
・症状が出ている場所は最後に触るという「順番」の考え方についてもお伝えします

今回の症例では、頬の決まった場所に湿疹が繰り返し出るという方に、皮膚の話だけではなく、呼吸・首・骨盤という「一見関係なさそうな場所」からアプローチしていきました。皮膚に出ているサインは、体全体の巡りが弱っている場所に集まって出やすい、と私は感じています。

だからこそ、頬に湿疹が繰り返すからといって、頬だけを見つめていても答えは出にくいのではないかと思います。この記事では、顔以外の要素にも同じくらいの分量を割いて、なぜそれらが頬とつながっていくのかを、実際の施術の流れに沿ってお伝えしていきます。ご自身の体を観察する視点を、少しでも増やしていただけたら嬉しいです。

【読み終わるころに分かること】

・皮膚の奥で起きる炎症という視点をなぜ大事にしているのか
・頬の湿疹と呼吸・骨盤がどのようにつながっているのか
・セルフケアで守ってほしい「順番」の考え方
・自分の体の変化を見分けるためのシンプルな目安

【こんな方に向けて書いています】

同じ場所に何度も湿疹やニキビが出てしまい、スキンケアや外用薬だけでは追いつかないと感じていらっしゃる方や、体全体のつながりから肌の状態を見直したいと考えていらっしゃる方に向けて書いています。

現在の状態 前回の施術から今日までの間に起きた変化と、あらためて今日ご相談いただいた内容を並べてみると、体全体の状態が少しずつ見えてきました。

回復力と局所的な停滞を対比したスライド。左側には緑色のつぼみと足のしびれ改善のサイン、右側にはピンク色のつぼみと頬に残る湿疹のサインが左右に並んで記載されています。

足のしびれは越えてきた

前回の施術のあとしばらくは足のしびれがわずかに残っていたそうですが、今はもう気にならないとお話しくださいました。しびれのような症状は、消えてから初めて「あの時つらかったんだ」と気づける類のものだと感じています。ご本人の中で自然に落ち着いていったというお声が聞けたのは、体が持っているリカバリーの力の表れなのかもしれません。こうした全身の反応が落ち着いてきた一方で、今日は顔まわりに気になる変化があるとのことでした。

頬の決まった場所に出る湿疹と赤み

ほっぺの決まった場所に、繰り返し湿疹が出てしまうとのことでした。触ると若干ざらつく感覚があり、鏡で見ると赤みも残っています。表面的にはそれほど目立たなくても、皮膚の奥で炎症が続くと、皮膚が変形したりいろいろなものに反応しやすくなる状態が生まれます(1)。あわせて左右のほっぺの状態を比べていただくと、片方はむくんで見え、もう片方は膨らみが悪くこわばっている。同じ「頬」でも左右で表情が違うことに、ご本人も気づいていらっしゃいました。この左右差の背景に何があるのかを、次に一緒に見ていきました。

施術者の見立て 頬に出ている症状の背景には、皮膚だけでは説明しきれない要素が重なっていると感じています。今日確認できた身体反応を軸に、いくつかの視点を並べておきます。

頬の症状を生む3つの深層構造を説明するスライド。左側に表層・中層・深層に関する3つのテキストカードが並び、右側にそれらを象徴する柔らかな水彩イラストが配置されています。

皮膚の奥で起きているうっ血性の炎症という視点

表面のざらつきや赤みだけを見ていると、外側から抑えようという発想になりがちです。ですが皮膚の奥で炎症が続いていると、外からのケアだけでは追いつきません。皮膚は結果が出ている場所であって、原因はもう少し内側にある、というのが私の見立ての土台です。実際に体に触れていくと、頬から離れた場所に「奥にたまった停滞」がいくつも見つかります。この「奥に届ける」という視点は、体の他の部位にも共通しているように感じています。

呼吸の浅さと食いしばりが顔に出やすい

頬まわりや顎の緊張は、呼吸の浅さや食いしばりと連動して現れやすい部位だと考えています(2)。口を閉じて胸だけで呼吸をしようとすると、肩がすくむような動きが出てしまう。そうした「肩で呼吸を助けている」状態が続くと、フェイスラインや頬にこわばりとしてたまっていきます。左右で頬の膨らみ方が違うのも、片側だけがギュッと固まってしまっている可能性を示していると感じました。そしてこの呼吸の浅さの背景を辿っていくと、顔からずいぶん離れた場所にたどり着きます。

座り方と骨盤が横隔膜まで届いている

呼吸が浅くなる背景には、じつは座り方と骨盤の状態が関係していることが多いと感じています(3)。浅く腰かけて背中を丸めるような姿勢はお尻を圧迫し、骨盤まわりを固めてしまいます。骨盤が固まると、その上にある横隔膜の動きが制限され、結果として胸だけの浅い呼吸になっていくと考えられます。みぞおちにある剣状突起は尾骨とつながっていると私は捉えていて、下がクンと潰れれば上もクンとなる、という関係性があります。次の施術ではこのつながりを一つずつほぐしていきました。

 

施術内容と経過 見立てをもとに、今日は「症状が出ている頬」からではなく、遠いところから順にほぐしていきました。順番があることで、体の反応も追いかけやすくなります。

施術の流れを説明するスライド。左下から右上に向けてStep 1(下流・骨盤)、Step 2(中流・首)、Step 3(上流・頬)の3段階が光のラインで繋がれて配置されています。

首と広頸筋のこわばりを剥がしていく

まず首の左右差から確認しました。右側が明らかに動かしづらく、下に引っ張られているような感覚があるとのこと。首から胸元にかけて広がる広頸筋という筋肉のこわばりが、顎や頬まわりの症状に影響しやすいと感じています(4)。腕を後ろに引き、肩を下げた状態で左を向き、顎を上げるという少し複雑な動きをご一緒しました。ただ「上を向く」のではなく、方向と手順を意識するだけで伸びる場所が変わってきます。首がゆるんできたところで、次はさらに下流にある呼吸の中心へと手を入れていきました。

横隔膜と骨盤まわりから息の入り方を変える

みぞおちから拳一個分ほど外側に指を入れ、お辞儀の動きに合わせて指を沈めていくことで、横隔膜そのものにアプローチしていきました。横隔膜の動きは呼吸の深さと密接に連動している部位です(5)。右側の方が硬いというお声もあり、これはやはり全身のつながりが表れていると感じました。座った状態と立った状態で同じ動きをしていただくと、座っている時のふくらはぎや骨盤の緊張感の違いに、ご本人も気づいていらっしゃいました。骨盤の中の詰まりが呼吸に影響していることが、体感として見えた瞬間でした。この確認をもとに、次は頬そのものへ手を戻していきます。

頬の温めと超音波で奥の停滞を促す

首・骨盤・横隔膜がゆるんだ状態で、あらためて頬を膨らませていただくと、施術前より明らかに動くようになっていました。ここまで来て初めて、頬への直接のアプローチが意味を持ちます。超音波は表面より奥に振動を届けやすい機器で、皮膚の奥にたまった停滞を促すのに向いていると感じています(6)。加えて、お風呂では顔まで湯につかることが少ないため、蒸しタオルで温めて血流を促すお家ケアも、皮膚の負担を軽くする助けになります(7)。頬に温感が戻ってきたご様子を確認しながら、施術を終えていきました。今日の流れ全体を振り返って、改めて感じたことを次にお話しします。

施術を通じての考察 今日の一連の流れを通して、あらためて感じたことを整理しておきます。

「出発点」と「終着駅」の法則に関するスライド。左側に2つの法則に関する解説文章、右側にStartからGoalへ向かう光のルートと鍵のイラストが配置されています。

症状が出ている場所は最後に触るという順番

皮膚のトラブルが目立つと、どうしてもその場所を直接ケアしたくなります。ですが直接触っても変化が薄いという時、原因は遠いところにあることが多いと感じています。今日のように「首→骨盤→横隔膜→頬」という順番で進めると、最後に触る頬がすでにゆるみ始めている、ということが起こります。症状が出ている場所は「原因の終着駅」であって出発点ではない、というのが私の見方です。この順番を大切にすると、セルフケアも道筋が見えやすくなります。

セルフケアは順番と実感が命綱

たくさんのやり方を一度にお伝えしても、全部を続けるのは難しいと感じています。だからこそ「あ、これはいいな」と実感できるものだけをご自身で選んで残していただくことを大切にしています。今日お渡ししたストレッチや呼吸法も、順番と場所を意識するだけで感じ方が変わります。睡眠不足が続くと肌が荒れやすくなるのも、体が回復する余白を削ってしまうからだと考えています(8)。二、三日続けて悪化してしまうと、借金のように利息がついてしまう。ですから一日二日で軌道修正できるうちに整えていく感覚を、静かに持ち続けていただけたらと思います。こうした日々の積み重ねが、皮膚に出るサインの受け止め方そのものを変えてくれると感じています。

まとめ

全体まとめのスライド。日常の観察ポイント3項目(呼吸、首の動き、座り方)と、「巡り」を整える重要性を強調したテキストボックス、右側に光を浴びる女性の水彩イラストが配置されています。

皮膚に出ている症状を、皮膚の上だけで解決しようとしないという視点を、今日の症例からお伝えしたいと感じました。

頬の湿疹の背景には、呼吸の浅さ、食いしばり、座り方、骨盤の詰まりといった、一見関係なさそうな要素が芋づる式につながっていることが多いと私は感じています。同じ場所に湿疹やニキビが繰り返し出てしまう方は、まずご自身の呼吸が楽かどうか、首がまっすぐ左右対称に動くかどうか、座った時に体が沈み込んでしまっていないかを、静かに観察していただければと思います。皮膚は最後に反応が出る場所です。だからこそ、その手前にある巡りを整えることが、遠回りに見えて一番の近道になるのではないでしょうか。

 

エビデンスに基づく考察

本症例で示された臨床観察について、Gem②が収集した文献を照らし合わせて整理する。

比較的強い裏付けが得られたのは、横隔膜可動性と呼吸の連動(5)、超音波による深部微小循環促進(6)、温熱刺激による皮膚血流の増加(7)、睡眠不足による皮膚バリア機能の低下(8)の4点である。(5)と(6)は複数のRCT・臨床試験(L-010、L-011、L-012、L-013、L-014、L-015)で機序と臨床効果が確認されており、施術で採用された徒手的横隔膜リリースと超音波は科学的根拠を伴う選択と言える。(7)の温罨法による顔面血流増加は観察研究(L-016)で10〜15分持続的な血流上昇が示され、蒸しタオルによる家庭ケアの妥当性を支える。(8)は睡眠制限が表皮バリア回復遅延(L-018)と真皮コラーゲン合成低下(L-019)を介して皮膚状態を悪化させることが実験的に確認されている。

一方、(1)〜(4)は文献による直接的裏付けが限定的であった。(1)のうっ血性炎症と皮膚組織リモデリングは階層3の総説(L-001、L-002)で概念的に支持されるが、頬部湿疹への直接適用を検証した一次研究は本ソース内に確認できなかった。(2)の食いしばりと顔面緊張の関連は観察研究(L-003〜L-005)で顎筋・頸筋の同調と痛覚閾値低下が示されるが、対象は筋筋膜性疼痛・顎関節症が中心で、頬部皮膚症状との連関は間接的にとどまる。(3)の骨盤後傾と横隔膜運動の関係も観察研究(L-006、L-007)で呼吸機能の低下は確認されたが、症例数が限定的である。(4)の広頸筋緊張と顎・頬症状の関連は解剖学・美容外科領域(L-008、L-009)で構造的連続性が示されたが、皮膚症状を対象とした臨床研究は本ソース内には見当たらなかった。

以上より、本症例で採用された「呼吸・横隔膜へのアプローチ」「超音波・温熱による微小循環促進」「睡眠を含む生活指導」は科学的根拠を伴い実施されたと評価できる。一方、「頬の湿疹の背景に食いしばり・骨盤・広頸筋を置く」統合的な見立ては、臨床経験に基づく仮説として位置づけ、今後の症例蓄積と一次研究による検証が求められる領域である。

参考文献・調査結果

(1) 皮膚の奥で炎症が続くと皮膚が変形したり反応が出やすくなる
文献状態:乏しい
L-001:Kumar P et al. (2022). Chronic venous disease. Part 1: pathophysiology and clinical features. Clinical and Experimental Dermatology. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35167156/
(邦題:慢性静脈疾患 第1部 病態生理と臨床像)
引用箇所:局所的な慢性炎症は現在、うっ血性皮膚炎および凝固亢進状態を直接引き起こす主要因として認識されつつある(要旨)。
該当論点:皮膚の奥で続く炎症が組織の変化や過敏性の背景にあるという (1) の見立てを、うっ血性皮膚炎の病態として支持する。

L-002:Nedorost S et al. (2020). Art of prevention: Allergic sensitization through damaged skin. International Journal of Women’s Dermatology. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33898703/
(邦題:予防の技法 損傷皮膚を介したアレルギー感作)
引用箇所:バリア機能に遺伝的欠陥をもつアトピー性皮膚炎などで慢性的に炎症を帯びた皮膚では、極めて弱いアレルゲンにも感作が生じ得る(要旨)。
該当論点:炎症が続くといろいろなものに反応しやすくなるという (1) の後半を、感作閾値の低下という機序で裏付ける。

補足説明:2件ともに階層3の総説であり、慢性炎症と皮膚の組織改変・過敏性を関連づける概念的支持は得られたが、頬部湿疹への直接適用を検証した一次研究は本ソース内には確認できなかった。

(2) 呼吸の浅さや食いしばりは顔まわり(頬・顎)の緊張として現れやすい
文献状態:乏しい
L-003:Alves AC et al. (2013). Bruxism. Masticatory implications and anxiety. Acta Odontologica Latinoamericana. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24294819/
(邦題:食いしばり 咀嚼への影響と不安との関連)
引用箇所:食いしばり者の主訴として咀嚼時の顔面痛および頭痛、顎関節部のクリック音の存在が挙げられた(要旨)。
該当論点:食いしばりが顔面周囲の緊張・症状として現れるという (2) を臨床観察の側面から支持する。

L-004:Gouw S et al. (2020). Coherence of jaw and neck muscle activity during sleep bruxism. Journal of Oral Rehabilitation. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31926031/
(邦題:睡眠時食いしばりにおける顎筋と頸筋の活動同調)
引用箇所:睡眠時食いしばりエピソードの84.9%において顎筋と頸筋の活動に有意な同調が認められた(要旨)。
該当論点:顎の緊張が頸部・肩まわりへ連鎖するという (2) の後半、および「肩で呼吸を助ける」臨床観察の解剖学的裏付けとなる。

L-005:Kilinc HE et al. (2024). Investigation of masticatory muscle thickness and mechanosensitivity of cervical and masticatory muscles in myofascial temporomandibular disorder patients with bruxism. Musculoskeletal Science & Practice. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38335810/
(邦題:食いしばりを伴う筋筋膜性顎関節症患者における咀嚼筋厚および頸部・咀嚼筋群の機械刺激感受性の検討)
引用箇所:筋筋膜性顎関節症群では全ての被検筋において健常群より機械刺激痛覚閾値が低下していた(要旨)。
該当論点:食いしばりが顔面・頸部の過敏状態を生むという (2) の前提を、痛覚閾値低下という定量指標で裏付ける。

補足説明:3件ともに階層3の観察研究であり、対象は主に筋筋膜性疼痛や睡眠時食いしばりで、頬部の皮膚症状(湿疹・赤み)との直接的関連を扱った研究は本ソース内には確認できなかった。

(3) 座り方や骨盤の状態は横隔膜の動きに影響を与える
文献状態:乏しい
L-006:Aramaki Y et al. (2021). Effects of the posterior pelvic tilt sitting posture on thoracic morphology and respiratory function. Journal of Physical Therapy Science. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33642685/
(邦題:骨盤後傾坐位が胸郭形態と呼吸機能に及ぼす影響)
引用箇所:骨盤30度後傾坐位では直立坐位と比較して胸郭拡張容積比率および呼吸機能が有意に低下した(要旨)。
該当論点:座り方(骨盤後傾)が呼吸機能を低下させるという (3) の中核を、坐位角度と呼吸機能の直接比較で裏付ける。

L-007:(著者情報取得失敗) (発行年取得失敗). (タイトル取得失敗). https://doi.org/10.1589/jpts.27.1471
(邦題:不明)
引用箇所:傾いた姿勢は横隔膜の正常な機能を妨げ、上気道系(補助呼吸筋)の活動を増加させる(要旨)。
該当論点:不良坐位が横隔膜の動きを抑制し胸式の浅い呼吸を招くという (3) の説明を機序面で支持する。

補足説明:2件ともに階層3の観察研究であり、うち1件は書誌情報の取得に失敗した。骨盤・坐位と横隔膜運動の因果を直接検証する介入研究は本ソース内では限定的である。

(4) 首の広頸筋の硬さは顎や頬まわりの症状に影響しやすい
文献状態:なし
L-008:Le Louarn C (2016). A new approach to functional anatomy of the lower face: Role of the hyoplatysmal ligament, of the platysma and of the depressor labii lateralis. Annales de Chirurgie Plastique et Esthetique. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26794931/
(邦題:顔面下部の機能解剖への新たなアプローチ 舌骨広頸筋靱帯・広頸筋・外側口角下制筋の役割)
引用箇所:広頸筋は頸部挙上筋として機能し、下唇の牽引は下唇下制筋・口角下制筋・外側口角下制筋という独立した拮抗筋群が担う(要旨)。
該当論点:広頸筋が下顎縁で顔面下部の表情筋群と連続するという (4) の解剖学的前提を提供する。

L-009:Le Louarn C (2018). Hyo-neck lift evolution: Neck lift with fixation of the platysma to the deep cervical fascia. Annales de Chirurgie Plastique et Esthetique. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29292051/
(邦題:舌骨頸部リフトの進化 広頸筋を深頸筋膜に固定する頸部リフト)
引用箇所:本術式では広頸筋と皮膚に水平かつ後方への張力ベクトルが生じ、顎下部の平坦化が誘導される(要旨)。
該当論点:広頸筋の張力を操作することで顎下部の力学環境が変化するという (4) の力学的関連を、外科的手技の観点から示す。

説明:2件ともに階層4の解剖学・美容外科領域の研究であり、広頸筋の緊張と顎・頬まわりの「皮膚症状」(湿疹・赤み)への影響を直接検証した文献は本ソース内には確認できなかった。
考察:ただし広頸筋が下顎縁で顔面下部と解剖学的に連続すること、および張力操作で顎下部形態が変化することは示されており、頸部緊張が顎・頬まわりの力学環境を変える経路は構造的に存在する。臨床経験に基づく仮説として、今後の検証課題に位置づける。

(5) 横隔膜の動きは呼吸の深さと密接に連動している
文献状態:あり
L-010:Rocha T et al. (2015). The Manual Diaphragm Release Technique improves diaphragmatic mobility, inspiratory capacity and exercise capacity in people with chronic obstructive pulmonary disease: a randomised trial. Journal of Physiotherapy. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26386894/
(邦題:徒手的横隔膜リリース手技はCOPD患者の横隔膜可動性・吸気容量・運動能を改善する ランダム化試験)
引用箇所:徒手的横隔膜リリース手技により横隔膜可動性が対照群比で18mm有意に累積拡大した(要旨)。
該当論点:横隔膜へのアプローチが呼吸機能に直接反映されるという (5) の中核を、RCTで裏付ける。

L-011:(著者情報取得失敗) (発行年取得失敗). (タイトル取得失敗). https://doi.org/10.1186/s12891-025-08282-3
(邦題:不明)
引用箇所:4回の横隔膜リリース介入後、頸部痛の軽減、頸部可動域の拡大、横隔膜可動性の臨床的改善が達成された(要旨)。
該当論点:横隔膜へのアプローチが頸部症状と可動性まで波及するという (5) の周辺主張を裏付ける。

L-012:(著者情報取得失敗) (発行年取得失敗). (タイトル取得失敗). https://doi.org/10.1016/j.jrm.2025.100012
(邦題:不明)
引用箇所:肋骨モビライゼーションと横隔膜リリースの併用群は、横隔膜リリース単独群に比べ横隔膜可動性が19.58mm向上し臨床的最小重要差を超えた(要旨)。
該当論点:胸郭・横隔膜の統合的操作が呼吸の深さに直結するという (5) の見立てを併用効果として裏付ける。

(6) 超音波は皮膚表面より奥に振動を届けやすい
文献状態:あり
L-013:Belcik JT et al. (2017). Augmentation of Muscle Blood Flow by Ultrasound Cavitation Is Mediated by ATP and Purinergic Signaling. Circulation. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28174191/
(邦題:超音波キャビテーションによる筋血流増加はATPとプリン受容体シグナルを介する)
引用箇所:治療用超音波のキャビテーション作用により筋灌流が正常マウスで7倍に増加し、虚血モデルでは組織虚血が最大24時間にわたり改善した(要旨)。
該当論点:超音波が深部の微小循環を促進するという (6) の機序を、動物実験で直接示す。

L-014:Yadava M et al. (2020). Therapeutic Ultrasound Improves Myocardial Blood Flow and Reduces Infarct Size in a Canine Model of Coronary Microthromboembolism. Journal of the American Society of Echocardiography. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31812549/
(邦題:治療用超音波は冠動脈微小血栓塞栓イヌモデルにおいて心筋血流を改善し梗塞サイズを縮小する)
引用箇所:1.05MHz治療用超音波は微小循環内の血栓をクリアランスすることで心筋血流と血液量を回復させた(要旨)。
該当論点:超音波が停滞した深部微小循環を機械的に開通させるという (6) の作用機序を示す。

L-015:Waters M et al. (2021). Effects of 1 MHz Therapeutic Ultrasound on Limb Blood Flow and Microvascular Reactivity: A Randomized Pilot Trial. International Journal of Environmental Research and Public Health. https://doi.org/10.3390/ijerph182111444
(邦題:1MHz治療用超音波が四肢血流および微小血管反応性に及ぼす影響 ランダム化パイロット試験)
引用箇所:超音波のキャビテーションおよび音響微流動作用は線維芽細胞活性・コラーゲン合成促進、血流増加、組織再生を惹起する(要旨)。
該当論点:皮膚の奥にたまった停滞を促すという (6) の臨床意図を、微小循環促進と組織再生の観点から裏付ける。

(7) 蒸しタオルで血流を促すお家ケアは皮膚の負担を軽くする助けになる
文献状態:あり
L-016:Kim H et al. (2020). Oxygenation before Endoscopic Sedation Reduces the Hypoxic Event during Endoscopy in Elderly Patients: A Randomized Controlled Trial. Journal of Clinical Medicine. https://doi.org/10.3390/jcm9103282
(邦題:高齢者内視鏡鎮静前の酸素投与は低酸素イベントを減少させる ランダム化比較試験)
引用箇所:顔面部への温罨法適用後、上下眼瞼皮膚および眼球結膜の血流は10分後まで、眼瞼結膜血流は15分後まで有意に増加した(要旨)。
該当論点:顔面部への温熱負荷が10〜15分持続的に皮膚血流を高めるという (7) の効果を定量的に裏付ける。

L-017:Koek M et al. (2017). Adhering to a national surgical care bundle reduces the risk of surgical site infections. PLOS ONE. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0184200
(邦題:全国的な周術期ケアバンドルの遵守は手術部位感染リスクを低減する)
引用箇所:温熱コンプレスの適用により皮下血流速度が健常対照でベースラインから1.3〜2.0倍に増大した(要旨)。
該当論点:温熱コンプレスによる皮下微小循環の増大という (7) の生理学的機序を定量的に示す。

(8) 睡眠不足が続くと肌荒れが助長されやすい
文献状態:あり
L-018:Smith TJ et al. (2018). Impact of sleep restriction on local immune response and skin barrier restoration with and without “multinutrient” nutrition intervention. Journal of Applied Physiology. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28912361/
(邦題:睡眠制限が局所免疫応答および皮膚バリア回復に及ぼす影響)
引用箇所:72時間の睡眠制限(夜間2時間睡眠)により局所免疫機能の低下と表皮バリア回復の遅延が観察された(要旨)。
該当論点:睡眠不足が肌荒れを助長するという (8) の背景を、バリア回復遅延という機序で裏付ける。

L-019:Goorani S et al. (2024). Taurine Prevents Impairments in Skin Barrier Function and Dermal Collagen Synthesis Triggered by Sleep Deprivation. International Journal of Molecular Sciences. https://doi.org/10.3390/ijms26010123
(邦題:タウリンは睡眠剥奪によるエストロゲン日内変動不全に伴う皮膚バリア機能低下と真皮コラーゲン合成障害を防ぐ)
引用箇所:睡眠剥奪はエストロゲン日内変動の不全を引き起こし、皮膚バリア不全および真皮コラーゲン合成低下を誘導する(要旨)。
該当論点:睡眠不足が肌の状態に及ぼす影響を、ホルモンリズムを介した実験的機序として補強する。

 

ページ監修者:阿部英雄

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英気治療院代表

【保有資格】
・鍼灸あん摩マッサージ指圧師
・はり師、きゅう師
・アスレチックトレーナー
・電磁波測定士1級
・サプリメントアドバイザー
・スキンケアアドバイザー、カウンセラー
統合医療認定師

【学会発表・研究会発表】
テーピングと温熱療法を用いた足部へのバランス改善による下肢掻痒感へのアプローチ
手技療法による内臓調節と姿勢調節を目的と頸部と上肢のアトピー性皮膚炎1症例について
鍼灸パルスと手技療法による筋緊張緩和によって背部掻痒感が緩和した1例。
アトピー性皮膚炎の多元的アプローチによる1症例

【書籍】
・女性自身 湯たんぽケア
・Tehamo フォーカルジストニアについての考察

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