梅雨の肌の赤みは熱こもりのサイン|頭を冷ます施術の記録

この記事のあらすじ

【3行結論】

・顔の赤みやカサカサは、皮膚そのものの問題というより、体の中の熱こもりが結果として表に出ているサインだと感じています

・エアコンで部屋を冷やしても、体の中の熱は逃げ場を失うことがあり、むしろ巡りが悪くなって悪循環に入りやすいんです

・頭だけを冷ます、胸の呼吸を取り戻す、関節の周りを軽くする。この3つの整え方で、体の根っこから変化が出ていきます

お話を伺ったのは、デスクワーク中心の方で、梅雨に入ってから顔の赤みや肌のカサカサが気になり始めたとのことでした。エアコンで部屋を冷やしているのに、なぜか体は楽にならない。むしろ夜中に何度も目が覚めて、おしっこの回数も増えてしまう。触らせていただきながらお話を伺うと、肌に出ているのは「結果」であって、本当の根っこは別のところにあるんじゃないかな、と感じました。

【読み終わるころに分かること】

・なぜ「部屋を冷やしている」のに体は楽にならないのか

・顔の赤みやカサカサと、汗がかけないことのつながり

・手や首の不調が「肌の問題」と同じ根っこを持つことがある理由

・梅雨時期に整えておきたい、頭・呼吸・関節という3つのポイント

【こんな方に向けて書いています】

季節の変わり目に肌のサインが出やすい方、エアコンを使い始めても夜眠れない方、肌と体の不調が同時に出てきて「何から手を付けたらいいか分からない」と感じている方に向けて書いています。

現在の状態 今回お話を伺った方は、おでこやほっぺに赤みが出てきて、肌のカサカサも気になるとのことでした。ただ、それだけではなくて、夜の眠りや手の動き、首こりまで、いくつかのサインが重なって出ていたんです。

夜のかゆみは強くないけれど、肌が「読めない」感じ

かゆみそのものは以前ほどではないとのことでした。ただ、おでこ周りやほっぺが赤くなって、肌の表面もカサカサしている。夕方以降に疲れが溜まると、より出やすくなる傾向がありました。「アトピーっぽいけど、これまでとはちょっと違う感じで、読めない」とおっしゃっていて、私もその感覚はよく分かるなと感じています。皮膚の表面だけ見ていても答えが見つからない、そういう時期があるんです。

肌のサインだけでなく、夜の眠りにも気になる点がありました。

夜中に4回起きてしまい、体が冷房で縮こまっている

夜は寝ているけれど、おしっこで起きてしまう。多い時で4回ぐらいです、と伺いました。部屋のクーラーは結構強めにかけていらっしゃるとのこと。体が冷えると血管がキュッと縮まって、おしっこが近くなりやすい(1)んです。腹巻きをつけて体幹を冷やさないこと、それだけでも夜の起き方は変わってくるんじゃないかな、と感じています。

体の冷えと別に、もう一つ気になったのが手の動きでした。

手の関節が「もぞもぞ」する違和感と、首こり

グーパーをしていただいて、左右を比べてもらいました。片方が軽くて、もう片方は「もぞもぞ」する感じ。これは手の甲側に違和感が出ているけれど、本当の場所は手のひら側の関節のさや、腱鞘の部分にあるんです(2)。首は上を向くのも左右に振るのも動きにくく、左がより詰まっている感じでした。デスクワークで目の疲れや食いしばりも続いているとのことで、上半身に熱がこもりやすい状態になっていました。

これらのサインを一つの絵としてつなげていくと、見えてくる景色がありました。

施術者の見立て 表に出ているのは肌の赤みやカサカサ、手の違和感、首こり、夜の眠りの浅さ。バラバラに見えるサインですが、私には一つの根っこからつながっているように感じられました。

熱がこもって汗がかけない、これがのぼせの根っこ

最近、汗をかいていますか、と伺うと「ほとんどない」とのことでした。本来なら梅雨で蒸して汗が出やすい季節ですが、汗をかけずに熱だけがこもっている状態(3)。これがおでこやほっぺの赤み、肌のカサカサとして表に出ているんじゃないかな、と感じています。表面に保湿を重ねるよりも、まず内側の熱を下げる。そこから整えていく方が、結果としては早いんです。

熱こもりがあるのに部屋を冷やしているのは、実は逆効果になることがあります。

体全体を冷やすと、巡りが悪くなる悪循環

クーラーを強くかけると、体の表面は冷たくなります。でも体の中の熱は逃げ場を失って、頭の方にこもったままになる。さらに体が冷えると血管が縮まって、心臓への負担も増えていく(4)んです。ですので「冷やす場所」を選ぶ必要があります。頭だけをピンポイントで冷ます。体幹は腹巻きで守る。これが熱こもり体質には合っていると感じています。

呼吸の浅さも、この熱こもりに深く関係していました。

胸が動かないと、上の熱を下に下げられない

深呼吸をしていただくと、胸郭がほとんど動かない状態でした。胸の呼吸が浅いと、上方にこもった熱を下に下げる動きが取れなくなります(5)。汗もかけない、呼吸も浅い、循環も悪い。これらが重なって、熱が出口を失っている状態だったんです。

手の症状についても、同じ視点で見ていくと、違うものが見えてきました。

手の不調は「ゴミ処理ができない」状態

関節が緩いタイプの方は、ストレッチで緩まりにくい(6)んです。普通の方なら伸ばして緩むところが、緩めても元に戻りやすい。今回も同じタイプでした。手の腱鞘部分にゴミのようなものが溜まると、それが手の甲側に違和感として出てきます。仕事量が増えたから、というよりも、疲れて体のゴミ処理機能が落ちているから出ている(7)。私はこちらの理由が圧倒的に多いと感じています。

これらの見立てをもとに、実際の施術に入っていきました。

施術内容と経過 今回は「熱を冷ます」「呼吸を取り戻す」「ゴミを取る」の3つを軸に進めていきました。順番にお伝えします。

頭をアイス枕で冷やすと、顔の赤みが引いてきた

まずアイス枕を後頭部のポコッと出ている部分に当てて、上向きで寝ていただきました。氷枕ほど冷たくしなくても、頭の熱は冷めていきます。「鼻も通りやすくないですか」とお聞きすると、確かに楽になっているとのこと。施術中に確認すると、おでこ周りの赤みも引いてきていました。頭が熱を持っている状態だったんだな、と改めて感じました。

頭が冷めたところで、呼吸の動きにも入っていきました。

胸の呼吸を取り戻すと、上の熱が下に降りる

胸式呼吸の練習をしながら、肋骨周りの動きを引き出していきました。最初は胸がほとんど動かない状態でしたが、少しずつ胸郭が広がるようになっていきます。「優秀ですね」と思わず口に出るくらい、体は応えてくれました。胸が動くようになると、上方にこもった熱を下に降ろせるようになります。汗をかける体に近づいていく一歩です。

最後に、手の関節周りの整えに移りました。

関節のさやを「磨く」ように整えると、手が軽くなる

手のひら側の腱鞘部分、つまりさやの部分にゴミが溜まっているイメージで、磨くように整えていきました。施術後にもう一度グーパーをしていただくと、「あ、こっちの方が分離した感じで、こっちはくっついちゃう感じ」と表現してくださいました。動きが軽くなって、左右差も小さくなっていました。痛みが強い場合は超音波を当てる方法もありますが、今回は手で整える形で進めました。

施術全体を通じて感じたことを、考察としてまとめます。

施術を通じての考察 今回の症例で改めて感じたのは、肌に出ているサインは「結果」であって、追いかけるべき場所は別にあるということ。そして体が出すサインは、つながって読んでいくと一つの絵になる、ということでした。

肌は「結果」が出る場所、追うべきは根っこ

おでこやほっぺの赤み、カサカサ。これらを「肌の問題」として保湿だけで対応していると、なかなか落ち着き場所が見つかりません。熱がこもっている、汗がかけない、呼吸が浅い、循環が悪い。これらの状態が結果として肌の表面に表れているんです。だから整える場所は、肌そのものではなく、熱と呼吸と巡り。順序を間違えないことが大事じゃないかな、と感じています。

体が出すサインは、肌だけではありませんでした。

梅雨の熱こもりは、風邪につながりやすい

梅雨の時期に熱がこもって、汗がかけない状態が続くと、体力を消耗していきます。今は肌に出ているけれど、このまま放っておくと風邪を引いてしまうこともある。私自身、こうしたサインの段階で整えておくことが、季節を健やかに越えるための準備だと感じています。

肌・手・首・眠り、すべてが同じ根っこからつながっていました。

2次的・3次的に出てくるサインの読み方

手の違和感は、仕事量が増えたからではなく、疲労でゴミ処理機能が落ちているから。首こりも、目の疲れや食いしばりからの上半身の緊張。これらは独立した不調ではなく、熱こもりという一つの根っこから2次的・3次的に派生している状態でした。サインを別々のものとして対処するのではなく、一つの絵として読む。そういう視点を持っていると、整える順番が見えてきます。

こうした視点を踏まえて、今回の振り返りをまとめておきます。

まとめ

今回の症例から見えてきたのは、肌や手や眠りに表れてくるサインは、一つの根っこを持っていることが多い、ということでした。

梅雨の時期や季節の変わり目、エアコンを使い始める時期は、体の中で熱がこもりやすくなります。汗がかけない、呼吸が浅い、夜眠れない、肌が荒れる。これらのサインがそろってきたら、一度「体の中で熱が逃げ場を失っていないか」を見てあげるといいんじゃないかな、と感じています。

体全体を冷やすのではなく、頭だけをピンポイントで冷ます。腹巻きで体幹を守る。胸の呼吸を取り戻す。こうした整え方は、すぐに大きく見える変化を起こすものではないかもしれません。でも、根っこから整えていくことで、肌のサインは自然と落ち着きどころを見つけてくれます。

皮膚に出ているサインを、皮膚だけで追いかけない。是非とも、体全体のめぐりと熱の動きまで含めて見てあげてください。同じように季節の変わり目に肌や体のサインで悩んでいらっしゃる方の、ひとつの読み方の参考になればと感じています。

ページ監修者:阿部英雄

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英気治療院代表

【保有資格】
・鍼灸あん摩マッサージ指圧師
・はり師、きゅう師
・アスレチックトレーナー
・電磁波測定士1級
・サプリメントアドバイザー
・スキンケアアドバイザー、カウンセラー
統合医療認定師

【学会発表・研究会発表】
テーピングと温熱療法を用いた足部へのバランス改善による下肢掻痒感へのアプローチ
手技療法による内臓調節と姿勢調節を目的と頸部と上肢のアトピー性皮膚炎1症例について
鍼灸パルスと手技療法による筋緊張緩和によって背部掻痒感が緩和した1例。
アトピー性皮膚炎の多元的アプローチによる1症例

【書籍】
・女性自身 湯たんぽケア
・Tehamo フォーカルジストニアについての考察

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