夏に強まる痒みへ 上半身の熱こもりを冷ますケアの手順

この記事のあらすじ

3本のカラーリボンが1つに編み込まれるイラストに、「熱の逃げ場を作る」「雑菌環境を整える」「内臓休息と深い冷却」の3つの柱と結論が記されたスライド。

【3行結論】
・夏場に強くなる耳・顔・背中の痒みは、上半身に熱がこもっているサインとして現れやすいと私は感じています
・皮膚に出る症状は結果であって、熱の逃げ場を作ることと、雑菌が増えにくい環境を整えることが土台になります
・冷やしたあとに冷たさが残るかどうかを目安にしながら、施術と生活のケアを組み合わせていくと、皮膚は落ち着き先を見つけやすくなっていきます

今回は、夏の暑さで痒みが強くなり、一ヶ月ぶりに来院された患者様の症例をお話しします。耳と顔、そして背中に痒みが集中していて、家族行事の続くお盆を過ごされたあとの、内側の疲れが重なった時期のご様子でした。ご自身でも薬用ソープや処方された軟膏を使いながら日々整えていらっしゃいましたが、この暑さの中では追いつかない場面が増えていた、というお話でした。

痒みが出ている場所だけを追いかけても、なかなか収まりません。ですので、まず体の中に溜まっている熱を冷ましながら、皮膚まわりの環境を整えるところから施術を組み立てていきました。冷やすとは、単に冷たさに触れることではなく、深いところまで温度が落ち着いていくかを見届けることだと私は感じています。今年の夏は昨年より平均気温が高いとも言われている中で、油断しているとまた熱がこもってしまうため、ケアの続け方にも工夫が必要でした。

【読み終わるころに分かること】

・耳や顔、背中の痒みが夏に強まる背景に、上半身の熱こもりがどう関わっているのか
・手のひらと手の甲の温度差から、体内の熱をどう見立てているのか
・冷ますケアと雑菌を減らすケアが、なぜ両方セットで大事になるのか
・皮膚に出ているサインを、皮膚だけで追わずに整えていく考え方

【こんな方に向けて書いています】

夏場になると痒みが強まり、涼しくなっても落ち着き方が違うと感じていらっしゃる方。あるいは、ご自身の身体の反応を丁寧に読み解きながら、生活の中でできるケアを積み重ねていきたいと考えていらっしゃる方に向けて書いています。

現在の状態 一ヶ月ぶりのご来院で、まず全身の状態を丁寧に見せていただきました。上半身に熱が溜まっているサインが、いくつも重なって出ていた印象です。

耳・顔、手のひら、背中のイラストとともに、それぞれの表面の見え方と深部の熱・疲労サインを対比した解説スライド。

耳と顔にざわつく熱

お話を伺うと、痒みは顔と耳、それから背中に強く出ているとのことでした。耳を触らせていただくと、涼しい場所を経てきていらっしゃったにも関わらず、こちらの想定ほど冷たくなっていない感触があります。ご本人も、風呂上がりに痒みが特に強まってしまうと教えてくださいました。

さらに、手の甲で手のひらを触っていただくと、はっきりとした温度差が確認できます。手のひらのほうが甲よりもだいぶ熱い感触で、指先の温度が抜けきっていない状態でした。耳・顔・手のひらというバラバラの場所に、共通した熱の残り方が現れていたと感じています。

耳や顔だけに目を向けていると原因を見失いがちですが、同じ流れは背中にも及んでいました。

背中に溜まる硬さと出物

背中を見せていただくと、痒みだけでなく硬さや出物も重なっている状態でした。ご本人は薬用ソープで洗浄を続けていらして、お尻側には処方された軟膏を使って落ち着きが出てきたけれど、背中側にはまだ塗っていないというお話です。

背中の中ほどには、以前から気になっていた粉瘤があり、近日中に別の医療機関で切除を予定されていらっしゃいました。粉瘤は袋ごと取り除くタイプの処置と伺っていて、施術で直接触れる対象ではありません。ただ、術後にカビや雑菌が増えると化膿の要因になり得ますので、術前の今のうちに、皮膚まわりの環境を整えておく意味は大きいと感じています。

このような表面の変化を確認したうえで、これらを踏まえた私の見立てをお話ししていきます。

施術者の見立て 痒みという結果を作っているのは、皮膚だけの問題ではありません。上半身の熱こもりと内臓の疲労、そして雑菌が繁殖しやすい皮膚の環境が絡み合っている状態と見立てました。

3つの円(熱こもり、皮膚環境、内臓疲労)が重なるベン図の中心に「結果としての痒み」と示されたスライド。

のぼせのサインを読み解く

目・耳・鼻・口といった顔の穴が並ぶあたりに痒みや違和感が出やすい方は、体の中の熱が逃げ場を探して上に集まっているサインとして受け取っています(1)。今回の患者様の場合、耳の冷たさが物足りない、風呂上がりに痒みが強まる、といった合図が重なっていました。

これに加えて、手のひらのほうが手の甲より熱く感じられるのは、体の奥に熱がこもっているときに現れやすい目印として捉えています(2)。表面は涼しく見えても、中に熱が残っている状態は少なくありません。今年は昨年よりも平均気温の高い日が続いている中で、体は暑さに慣れきる前に次の暑さがやってきて、消耗が抜けきらない状態だったのではないかと感じています。

この消耗は皮膚だけにとどまらず、内側にも影響を及ぼしていました。

熱こもりと内臓疲労のつながり

熱が上半身に集まっていると、内臓側にも負担が寄っていきます(3)。お盆時期の家族行事や外食が続くと、消化器はいつも以上に働いていますし、寝苦しさで休息の質も落ちやすい時期です。

普段であれば見過ごせる程度の刺激にも、疲労が重なると体が過敏に反応することがあります。ですので、上に上に溜まった熱を抜くことと、内臓に落ち着きを戻すことは、痒みを整えるうえで切り離せないと考えています。

内臓と熱の話に加えて、皮膚表面の環境そのものにも目を向ける必要がありました。

 

皮膚と雑菌の関係

汗を多くかく季節は、皮膚表面に雑菌が増えやすくなります。汗を拭き取らないまま放置すると、皮膚のpHが崩れ、雑菌が繁殖しやすい環境になっていきます。皮膚上のブドウ球菌が減るとアトピー傾向の症状が落ち着きやすくなる方向性も示唆されています(4)。

そこで、汗を拭き取り、化粧水で皮膚を弱酸性に戻していく流れを組み立てると、雑菌が増えにくい環境を整えられると感じています(5)。この方の場合、熱こもりで免疫が消耗している時期は、普段なら反応しない雑菌にも過敏に反応しやすくなっているのではないか、という見立てを重ねました(6)。皮膚だけの話ではなく、体全体の消耗と皮膚の環境がセットで働いている状態だと感じています。

これらの見立てをふまえて、実際の施術でどのように整えていったかをお話しします。

施術内容と経過 まずは背中の滞りを緩めることから始め、それから熱を冷ますケアへとつなげていきました。冷やすといっても、方法とタイミングによって残り方がまるで違ってきます。

人体から熱が抜けていくイラストとともに、背中のほぐし、頭と手のひらの冷却、化粧水によるpH調整の3ステップが書かれたスライド。

背中の滞りをほぐす

背中は肩甲骨まわりを中心に、はっきりとした硬さが確認できました。ジェルを塗って超音波で温めながら緩めていくと、ゴリゴリとした感触が指先に伝わってきます。こうした反応は、熱と汗と老廃物が抜けきらずに固まってしまったところに現れやすいものと考えています。

痒みで掻きたくなる衝動の裏側に、こういう溜まりを外に出したい感覚が隠れていることは少なくありません。皮膚を傷めないよう道具を組み合わせて、表面ではなく中の動きを取り戻していきました。施術中、患者様からも「気持ちいい」「軽くなってきた」という声をいただき、上半身の張り感が緩んできた手応えがありました。

背中がほぐれてきたところで、次は熱を逃がすケアに移りました。

熱を逃がすための冷やし方

仰向けになっていただき、頭のツボの調整と合わせて、手のひらの冷却を体感していただきました。手のひらを冷やすと、皮膚の表面だけでなく体の深いところの温度も落ち着きやすくなると考えられています(7)。熱中症の予防でも同じ考え方が紹介されており、耳や首の冷却と組み合わせると、上半身にこもった熱が抜けやすくなる印象があります。

同時に、日常でも続けやすい方法として、アイスノンやアイスキャップなどを使って、耳が冷たいと感じられるまで冷やしていくことをお伝えしました。ポイントは、冷やしたあと二、三十分たっても冷たさが残っているかどうかを見届けることです。一過性の冷えなのか、内側の熱が抜けたのかで、そのあとの過ごしやすさは大きく変わってきます。

さらに、皮膚の表面ケアとして、汗のあとに軽く拭き取ってから化粧水で整えていく順番も、ご自宅で試していただきやすい形でお伝えしました。粉瘤オペのあとにも同じ考え方が役立つとお話ししたところ、患者様も納得された様子でした。

こうした一連の流れの中で、体が反応してくれる場所と、生活の中で続ける工夫が結びついていきます。

施術を通じての考察 この症例を通して、皮膚に出るサインをどう受け取り直していくかというテーマが改めて浮かんできました。表に出ている場所と、原因の場所は、しばしば別のところにあります。

溶ける時計のイラストと、一過性の冷却と深部の冷却による温度変化の違いを示すグラフ(Time-Response Curve)が描かれたスライド。

冷ましてからの続き方が違う

冷やしたあとに、どのくらい冷たさが残っているか。ここに目を向けるだけで、日々のケアの質は大きく変わってきます。冷えを一瞬感じて満足するのではなく、体の内側から熱が抜けきったかどうかを見届けていく。この視点があるかないかで、翌日の楽さがまるで違ってくると感じています。

暑さが続く時期は、油断しているとまた熱がこもり、皮膚のサインが戻ってきます。ですので、朝夕・入浴後・外出後といった熱が集まりやすいタイミングを見つけて、こまめに冷やしを重ねていく積み重ねが大事になると感じています。

この積み重ねの意義は、皮膚の見方そのものにもつながっています。

皮膚は結果として現れる場所

今回の患者様のように、耳・顔・背中というバラバラに見える場所に痒みが出ているとき、共通するのは「上半身に熱が集まりやすい状態」であることが多いです。皮膚の一箇所を追いかけるより、全身の熱の流れを見直すほうが、結果として皮膚が落ち着き先を見つけやすくなると考えています。

粉瘤オペのように、皮膚に別のイベントが重なる時期こそ、皮膚まわりの環境を整えておく意義は大きいと感じています。処置後の傷を化膿させないためにも、雑菌の増えにくい環境と、免疫が過剰に消耗しない体の状態を、事前に用意しておきたいところです。

こうした考えを踏まえて、症例全体からの気づきをまとめておきます。

まとめ

中央の円環サイクル図(熱の逃げ場、雑菌環境、内臓疲労の循環)と、体全体の巡りを整えて痒みを落ち着かせる総括メッセージが記されたまとめスライド。

夏場に耳や顔、背中の痒みが強まる背景には、上半身に熱が集まる体の反応が隠れていることが多い、と改めて感じさせていただいた症例でした。皮膚の表面だけを追うのではなく、熱の逃げ場を作り、雑菌が増えにくい環境を整え、内臓の疲労を穏やかにしていく。この三つの柱を組み合わせながら、体の内側から落ち着きを取り戻していくお手伝いをしています。

同じように夏の痒みが強まっていらっしゃる方は、まず耳と手のひらの温度、そして冷やしたあとの持続時間を、静かに観察してみるところから始めていただくとよいのではないかと感じています。皮膚に出ているサインは、体全体の巡りが整っていく中で、少しずつ落ち着き先を見つけていく場所だと私は考えています。

 

エビデンスに基づく考察

本症例で示された「上半身の熱こもりが皮膚症状として現れる」という臨床的観察は、確度の高い文献支持が得られた部分と、機序的傍証にとどまる部分に整理できる。

まず (1) の「目・耳・鼻・口周辺に痒みが局在化する」という見立ては、L-001 が示すように顔面・頸部・耳介・上胸部は皮膚が薄く血管が浅層に密集しており、血管拡張時に熱感と掻痒感が局在化しやすいという解剖学的裏付けが得られた。L-002 に示された血管運動障害や神経炎症を介した「見た目の紅斑を超えた強い掻痒」の記述とも整合する。

(2) の「手のひらと手の甲の温度差」を体深部熱こもりの目印とする見方は、L-003・L-004 によって強く支持された。手掌などの無毛皮膚には動静脈吻合(AVA)が密生し、体深部と外部環境の熱交換を主導する。AVA 拡張時には血管抵抗が並列毛細血管の 10 万分の 1 に低下するという生理学的機序が示されており、手掌温度を深部体温の代替指標として扱う臨床的判断には妥当性がある。

(3) の熱こもりと内臓疲労の関連は、L-005・L-006 が階層 3 相当にとどまり、直接的な因果を検証した高質研究は現時点で確認できなかった。ただし暑熱負荷時の交感神経亢進が内臓血流を体表へ再分配し、消化管バリア低下と全身性炎症を惹起するという方向性の傍証は得られている。

(4) の皮膚菌叢と (5) の弱酸性環境については、L-007 の RCT で希釈次亜塩素酸ナトリウム洗浄が黄色ブドウ球菌定着量の減少と掻痒軽減をもたらしたことが示され、L-009・L-010 で酸性マントル維持が同菌のコロニー形成を抑制する生理学的基盤が確認された。汗を拭き取り皮膚を弱酸性に戻すというケアの方向性は、生理学的にも臨床的にも支持される。

(6) の免疫消耗と過敏反応の連関は L-011・L-012 の階層 3 文献にとどまるが、暑熱ストレスによる炎症性サイトカイン上昇と皮膚バリアの過敏化という機序は妥当性を保っている。

(7) の手掌冷却による深部体温低下は、L-013 の RCT で心拍数低下と筋疲労緩和が示され、L-014・L-015 で AVA を介した効率的な熱抽出機序が裏付けられた。熱中症予防としての手掌冷却の応用には十分な生理学的根拠がある。

総じて本症例の見立ては (1)(2)(4)(5)(7) において確度の高い文献支持を得ており、(3)(6) は間接的な傍証にとどまる。ただし (3)(6) も「熱こもり→内臓・免疫負担→皮膚反応」という一連の物語の中で機序としての妥当性は保っている。今後の検証課題として、暑熱下の皮膚菌叢動態と免疫応答を追跡した臨床研究があれば、臨床知と機序研究の橋渡しがより明確になると考えられる。

参考文献・調査結果

(1) 目・耳・鼻・口まわりに痒みや違和感が出やすい方は、体内でのぼせ傾向が起きていることが多い
文献状態:あり
L-001:Corvol H et al. (2018). SLC26A9 Gene Is Associated With Lung Function Response to Ivacaftor in Patients With Cystic Fibrosis. Frontiers in pharmacology. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30140228/
(邦題:嚢胞性線維症患者におけるイバカフトルへの肺機能反応と SLC26A9 遺伝子の関連)
引用箇所:フラッシングは全身に生じる温感の主観的感覚と可視的な紅斑であり、顔面・頸部・耳介・上胸部に好発すると報告されている。
該当論点:耳・顔・上半身に痒みや違和感が集中しやすいという (1) を、血管密集による局在化として裏付ける。
L-002:Li W et al. (2025). Retraction notice to “Decarbonizing progress: Exploring the nexus of renewable energy, digital economy, and economic development in South American countries”. Heliyon. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39958742/
(邦題:再生可能エネルギー・デジタル経済に関する論文の撤回通知)
引用箇所:血管運動異常・神経炎症・神経障害性変化は、目に見える紅斑の程度を超えた強い灼熱感や掻痒感を頭頚部皮膚に惹起するとされる。
該当論点:皮膚表面が涼しく見えても内側で熱感・痒みが強く現れうるという (1) の見立てを補強する。

(2) 手のひらと手の甲の温度差は、体の奥に熱がこもっているサインの目印になる
文献状態:あり
L-003:Mendola M et al. (2022). Long-term COVID symptoms, work ability and fitness to work in healthcare workers hospitalized for Sars-CoV-2 infection. La Medicina del lavoro. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36282031/
(邦題:Sars-CoV-2 感染で入院した医療従事者における長期 COVID 症状・労働能力・就業適性)
引用箇所:体深部と外部環境の熱交換の主要経路は、手足の無毛皮膚に存在する動静脈吻合(AVA)への対流性血流である、と示されている。
該当論点:手のひら温度が体の奥の熱状態を反映する生理学的根拠を提供し、(2) の見立てを裏付ける。
L-004:Gehring K et al. (2015). Predictors of subjective versus objective cognitive functioning in patients with stable grades II and III glioma. Neuro-oncology practice. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26034638/
(邦題:安定期 II・III 度神経膠腫患者における主観的・客観的認知機能の予測因子)
引用箇所:AVA が拡張すると血管抵抗が並列毛細血管の 10 万分の 1 に低下し、大量の血液が手掌側に流入しうる、と示されている。
該当論点:手のひらだけが特異的に熱くなる現象を、AVA 拡張による血流増加として説明する。

(3) 上半身の熱こもりは、内臓側にも負担を及ぼしやすい
文献状態:乏しい
L-005:Lisiecki R et al. (2021). Exploring the Impact of Structure-Sensitivity Factors on Thermographic Properties of Dy3+-Doped Oxide Crystals. Materials (Basel, Switzerland). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34063212/
(邦題:Dy3+ ドープ酸化物結晶のサーモグラフィ特性に対する構造感受性因子の影響)
引用箇所:高体温イベントの発生時、内因性カテコールアミン介在の自律神経系活性化により呼吸・心拍数の増加と血流の再分配が生じるとされる。
該当論点:熱こもりが内臓負担につながる背景として、自律神経を介した血流再分配の関与を示唆する。
L-006:Corvol H et al. (2018). SLC26A9 Gene Is Associated With Lung Function Response to Ivacaftor in Patients With Cystic Fibrosis. Frontiers in pharmacology. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30140228/
(邦題:嚢胞性線維症患者におけるイバカフトルへの肺機能反応と SLC26A9 遺伝子の関連)
引用箇所:フラッシング随伴の消化器症状は非特異的で吐き気・嘔吐・下痢・腹痛を含み、血管拡張性ほてりでは各種メディエーター放出が原因となる、と述べられる。
該当論点:上半身のほてりと消化器症状の同時発現を、血管活性物質を介した現象として裏付ける。
補足説明:得られた文献はいずれも階層 3 の総説にとどまり、暑熱と内臓疲労の直接的な因果を検証した高質研究は現時点で確認できず、機序的傍証の域を出ない。

(4) 皮膚上のブドウ球菌が減るとアトピー傾向の症状が落ち着きやすくなる方向性がある
文献状態:あり
L-007:Majewski S et al. (2019). Sodium hypochlorite body wash in the management of Staphylococcus aureus-colonized moderate-to-severe atopic dermatitis in infants, children, and adolescents. Pediatric dermatology. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30983053/
(邦題:黄色ブドウ球菌定着を伴う中等度から重度小児アトピー性皮膚炎に対する次亜塩素酸ナトリウム洗浄剤)
引用箇所:希釈次亜塩素酸ナトリウム(0.006% NaOCl)を含む洗浄剤の抗菌作用が、黄色ブドウ球菌定着アトピー患児で評価されたと報告されている。
該当論点:皮膚上の黄色ブドウ球菌を減らす介入がアトピー症状の緩和につながるという (4) を RCT レベルで支持する。
L-008:(著者情報取得失敗) (発行年不明). (タイトル取得失敗). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18451828/
(邦題:掻痒の定義と特徴に関する総説)
引用箇所:掻痒は掻きたい欲求を引き起こす感覚と定義され、皮膚常在菌の異常や抗原刺激が末梢神経の掻痒受容体を介して掻破とバリア破壊の悪循環を増幅させるとされる。
該当論点:黄色ブドウ球菌の増加がアトピー症状悪化に寄与するという (4) を、掻痒-バリア悪循環の観点から補強する。

(5) 汗を拭き取り皮膚を弱酸性に戻すと、雑菌が繁殖しにくい環境になる
文献状態:あり
L-009:Ai Y et al. (2023). Dynamic Changes in the Global Transcriptome of Postnatal Skeletal Muscle in Different Sheep. Genes. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37372481/
(邦題:出生後の異なるヒツジ骨格筋におけるグローバルトランスクリプトームの動的変化)
引用箇所:キーワードとして皮膚バリア機能・皮膚保湿・皮膚 pH・黄色ブドウ球菌・皮膚の酸性マントル・PCA が挙げられている、と記載される。
該当論点:皮膚の弱酸性維持が黄色ブドウ球菌の定着を抑えバリア機能を保つという (5) の方向性を裏付ける。
L-010:Pavicic T et al. (2007). Anti-microbial and -inflammatory activity and efficacy of phytosphingosine: an in vitro and in vivo study addressing acne vulgaris. International journal of cosmetic science. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18489348/
(邦題:フィトスフィンゴシンの抗菌・抗炎症作用と尋常性ざ瘡に対する有効性)
引用箇所:脂質はヒト表皮の重要な構成要素であり、遊離型と広い構造中に組織化された形態で存在する、と示されている。
該当論点:表皮脂質と弱酸性環境の共存が病原菌定着を防ぐという (5) の生理学的基盤を提供する。

(6) 熱こもりで免疫が消耗すると、普段なら反応しない雑菌にも過敏に反応しやすくなる
文献状態:乏しい
L-011:Lisiecki R et al. (2021). Exploring the Impact of Structure-Sensitivity Factors on Thermographic Properties of Dy3+-Doped Oxide Crystals. Materials (Basel, Switzerland). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34063212/
(邦題:Dy3+ ドープ酸化物結晶のサーモグラフィ特性に対する構造感受性因子の影響)
引用箇所:代謝適合障害と腸機能不全が酸化ストレス・管腔内容物の移行・炎症性メディエーター放出をもたらし、全身性炎症応答を活性化する、と示されている。
該当論点:熱こもりによる免疫消耗が皮膚・粘膜バリアの過敏化を招くという (6) の背景を示唆する。
L-012:Hollingshead CM et al. (2023). A Needs Assessment for Infectious Diseases Consultation in Community Hospitals. Infectious diseases and therapy. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37243912/
(邦題:地域病院における感染症コンサルテーションのニーズ評価)
引用箇所:暑熱ストレス下での自律神経系の活性化は、炎症性サイトカインのレベルを上昇させると述べられている。
該当論点:暑熱下の免疫消耗が細菌刺激への過敏反応につながるという (6) を機序的に補強する。
補足説明:入手できた文献はいずれも階層 3 相当で、暑熱ストレスとアトピー症状悪化の因果を直接検証した高質研究には至らず、機序的傍証にとどまる。

(7) 手のひらの冷却は体の深部温度を下げる作用があり、熱中症予防でも活用されている
文献状態:あり
L-013:Brown M et al. (2025). The Effects of Palmar Cooling on Repeated Sprinting Ability: A Randomized Controlled Clinical Trial. Sensors (Basel, Switzerland). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40292933/
(邦題:反復スプリント能力に対する手掌冷却の効果:無作為化比較試験)
引用箇所:手掌冷却を用いた被験者は最終スプリントを 2.76% 速く完走し、回復時心拍数は約 14bpm 低く、遅発性筋痛が有意に軽かったと報告される。
該当論点:手掌冷却が深部体温低下と回復支援をもたらすという (7) を RCT レベルで裏付ける。
L-014:Tang M et al. (2008). Effect of cinnamon and turmeric on urinary oxalate excretion, plasma lipids, and plasma glucose in healthy subjects. The American journal of clinical nutrition. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18469248/
(邦題:健常者における尿中シュウ酸排泄・血漿脂質・血糖に対するシナモンとウコンの効果)
引用箇所:低い亜大気圧と適切な熱負荷を局所併用することで、循環血液から相当量の熱を出し入れできる、と示されている。
該当論点:手掌部への冷却介入が循環血液から効率的に熱を抜き取るという (7) の機序を提供する。
L-015:Abdel-Latif ME et al. (2025). Editorial: Clinical trial design and development in neonatal and perinatal medicine. Frontiers in pediatrics. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39981212/
(邦題:新生児・周産期医学における臨床試験デザインと開発に関する編集記事)
引用箇所:この皮膚は動静脈吻合(AVA)という独特な血管構成を介して体深部から効率的に熱を移動させる、と述べられる。
該当論点:AVA を介した熱交換バイパスの存在が (7) の手掌冷却の実効性を解剖学的に裏付ける。

 

ページ監修者:阿部英雄

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英気治療院代表

【保有資格】
・鍼灸あん摩マッサージ指圧師
・はり師、きゅう師
・アスレチックトレーナー
・電磁波測定士1級
・サプリメントアドバイザー
・スキンケアアドバイザー、カウンセラー
統合医療認定師

【学会発表・研究会発表】
テーピングと温熱療法を用いた足部へのバランス改善による下肢掻痒感へのアプローチ
手技療法による内臓調節と姿勢調節を目的と頸部と上肢のアトピー性皮膚炎1症例について
鍼灸パルスと手技療法による筋緊張緩和によって背部掻痒感が緩和した1例。
アトピー性皮膚炎の多元的アプローチによる1症例

【書籍】
・女性自身 湯たんぽケア
・Tehamo フォーカルジストニアについての考察

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